黒は厚みを背景に白を攻める

互先局は,黒が 6.5 目のコミを出さなければなりません。単純な地囲いでは勝てないので,戦いの碁になりやすいです。
黒は白石を分断して,厚みを築きました。白は2辺に地を持とうとしています。


黒は間を出て切り込みを入れるのが手筋です。これで,切りを入れた右側か左側のどちらかの白が取れます。


コウになるのを承知の上で切り込む

白は咬み取りの大きな左上をつなぎました。これで,上辺が無事に収まれば,白の勝ちです。そこで,黒はコウになるのを承知の上で,上辺に切り込みを入れます。


さらに,反対側にも切り込みを入れて,下図のように,白(36)が取ってきてコウになります。


黒は,下辺にコウ材(37)があるのを確認していました。このコウ材を放置すると,下辺の白が死んでしまいます。白はやむなくつなぎました。


そこで,黒(39)はコウを取り返します。白は,下辺にコウ材を求めようとしても,黒に上辺のポン抜き(40)を許すと,上辺全体が死んでしまします。そのため,白(40)は1子を逃げました。そこで,黒(41)は左側の白2子をカメの甲の形で抜きました。白は,右上と右下の2か所に地を持ちましたが,左辺一帯を地にした黒が,圧倒的に勝ちました。